HR RUNNERS記事

〈HR RUNNERS vol.6〉見えてきたHRBPの本質 ~戦略人事 最前線からのレポート~

ーー管理部門としての機能に終始する人事ではなく、経営目線を持ち、事業の持続的な成長にも目を向ける“戦略人事”と呼ばれる人事の在り方、「HRBP」の役割とは。

HR RUNNERSは、HRの前線を走る第一人者からお話を伺い、「べき論」だけではうまくいかない現場のリアルとホンネについて考える対談企画です。第6回のテーマは、「見えてきたHRBPの本質」。戦略人事が企業のHR部門に欠かせない存在になりつつある今、GEヘルスケア・ジャパンでHRビジネスパートナーを務め、その最前線でご活躍されている桜庭理奈氏をお招きし、そのリアルとお考えを伺いました。
※本対談記事は、10月12日に開催したオンライントークライブより編集したものです。
※対談当時の情報ですので、現在は制度やお取り組みが一部変更になったものもあります。

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Profile
桜庭 理奈 氏
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 HRビジネス・パートナー
外資系金融企業での営業・企画推進を経て、人事へキャリアチェンジ。複数の外資系企業において、多国籍な職場環境で戦略的な人事を担当。2016年、アジアパシフィック地域統括の戦略人事担当として、外資系医療メーカーのGEヘルスケア ・ジャパン株式会社へ参画。2017年より同社日本法人の人事本部長、2019年より執行役員として着任。2019年より組織開発コンサルティング活動をパラレルで開始し、2020年5月より35CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)合同会社を設立し、人事部や人事部長不在の組織間でCHRO(チーフ・HRオフィサー)のシェアドリソースサービスを提供する、人財プラットフォーム事業の代表を務める。

〈聞き手〉
楠本 和矢
HR Design Lab.代表
博報堂コンサルティング 執行役員
神戸大学経営学部卒。丸紅株式会社で、新規事業開発業務を担当。外資系ブランドコンサルティング会社を経て現職。これまでコンサルティングプロジェクトの統括として、クライアント企業に深くコミットするアプローチのもと、多岐にわたるプロジェクトを担当。現在は、HR Design Lab.代表として、「マーケティングとHR領域の融合」をテーマに、現場での実践に基づいた様々なHRソリューションを開発提供。特に、組織の創発力強化・生産性向上を目的とした取組みに注力。

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GEヘルスケア・ジャパンの取り組み

楠本:本日のゲストは、GEヘルスケア・ジャパン株式会社でHRビジネスパートナー(以下、HRBP)を務めていらっしゃる桜庭理奈様です。さまざまな新しい人事施策を積極的に取り入れられているGEヘルスケア・ジャパン様で、リーダーとしてご活躍されています。今日は「HRBP」というテーマを軸に、いろいろなお話を伺いたいと思っております。

桜庭さん(以下、敬称略):私は、GEヘルスケア・ジャパンという、医療機器やそれにまつわるサービス、医療が直面する様々な課題を解決するソリューションを提供する会社で、HRBPをしております。いろいろな外資系の企業を中心に、人事という役職で関わって参りましたが、HRBPというタイトルを持ったのはここ5年くらいのことです。本日は、この「HRBP」というバズワードが最近沸騰している背景を、私なりに解剖させていただきますので、よろしくお願いいたします。

楠本:それでは最初に、GEヘルスケア・ジャパンの中で桜庭様がお取り組みされている内容を、簡単にご紹介していただけますでしょうか。

桜庭:GEヘルスケア・ジャパンでは、産官学の連携を積極的に進めており、連携を通じて社会共創基盤(プラットフォーム)を構築し、アイデアやイノベーションを共有し、最終的に社会実装することで、患者様が求める質の高い医療を効率的に提供できることをミッションとしています。そういった中で、GEヘルスケア・ジャパンとして事業戦略を実装させるために、まずは人のマインドやリーダーシップ、考え方、行動を変えていくことが必要だと考え、「越境」をキーワードに、これまで人事の施策を走らせてきております。
この絵を見ていただくと「越境」を理解していただきやすいかと思います。

まず、ある人は無人島に漂着して3ヵ月が経過しています。向こうの方から小舟がやってきて、「やっとボートが来た!」と言って喜んでいます。一方、反対側には、遭難して1ヵ月経過したボートに乗っている人が、「やっと陸地が見えた!」と言っているという絵です。つまり、陸地にいる人はボートにいる人の気持ちはわかりません。ボートに乗っている人は陸地にいる人の気持ちがわかりません。それぞれの立場に立ってみないと、「越境」しないと「見えてくる景色が違う」ということにすら気づかないという風刺画です。

楠本:なるほど。わかりやすいですね。

桜庭:まずは「違う場所から違う景色を見てみる」ための人事施策に、社内と社外で「越境」をキーワードに、この2年間取り組んでおります。
1つ目は、他社との「ピアコーチングサークル」です。上司部下の間でのコーチングではなく、利害関係のない、比較的自分と同じような役職にいる他社の方々とGEヘルスケア・ジャパンの12人ずつをマッチングします。心理的に安全性の高い環境で、横で連携しながら信頼できる関係性を、「良いリーダーになる」という課題を共有しながらゴールを成し遂げる手伝いをするというもので、9ヵ月間実施しました。

楠本:9ヵ月、結構長いですね。

桜庭:2つ目は「留職生」というもので、GEヘルスケア・ジャパンから他社へ留職する、もしくは、他社からGEヘルスケア・ジャパンに受け入れさせていただくことで、人材育成のスワッピングをしています。そして、社内での留職では「WATARIDORI」という名前で、手挙げ式の社内ローテーションプログラムを行なっています。こちらも違う景色を見てみることにより、越境し、育成し、成長する、ということを軸にこの2年間取り組んでおります。

楠本:素晴らしい取り組みですね。

桜庭:まずは、HRBPという言葉を紐解いてみます。いろいろな考え方があると思いますが、HRBPというのは「Human Resources Business Partner」なので、「人の可能性をアクティベートし、人的資産を運用するプロフェッショナルとして、事業の持続的成長と進化に貢献する、経営判断をする上でなくてはならない対等な相棒」であると私どもは定義付けています。
ビジネスのゴールは「市場において持続的に勝ち続けること」ですが、人事のゴールは「一人ひとりのメンバーのエンゲージメントを高めて、機動力を上げていくこと」だと思います。高いパフォーマンスをあげられる組織を作るための施策を人事施策と呼び、HRBPはそこに取り組む必要があります。

 

HRBPが持つべき5つの問い

桜庭:そして、そういったHRBPを目指す際に、乗り越えるべきハードルがいくつかあります。GEヘルスケア・ジャパンのHRBPは、これからお話しする5つの問いを自分たちに投げかけながらセルフコーチングをしています。
最初は、「顧客が同業他社ではなく、私たちの会社を3年後もパートナーとして選び続けるには、自分たちの会社に必要な能力・マッスルは何だろうか。今その能力・マッスルがあるか」という質問です。
2つ目は、「短期と長期の市場需要を理解するためには、どのような能力がチームメンバーに求められているか。内製化できるか。外との連携が必要か」です。
3つ目に、「自分たちの会社を成功に導くHR戦略をどのように構築するのか。そのHR戦略は事業戦略に紐づいているか。事業戦略はミッションを成し遂げるものか」ということをチェックします。
4つ目は、「組織の機動力はいかほどか。適材適所適時の人員配置、活用、育成ができているか。健全な新陳代謝を促す組織の自浄力はいかほどか」です。
最後は、「会社はHR部門に何を求めているのか。その期待に応えられる体制、能力を備えているか」。
以上、5つの問いを繰り返し、棚卸をしながら組織を変えていくということが、今、私どもがHRBPの育成において行っていることです。

楠本:「5つの問い」は本当に印象深かったです。「何か制度や仕組みを決めて終わり」ではなく、「常に変わっていくものだ」という動的な人事の視点は、あるようでないのではないかと思いました。

桜庭:事業環境も変化していますので、それに合わせて組織も、その中の一部である人事も機能も変化していくのは自然なことだと思います。

楠本:それができていない会社さんが多いとするならば、それは何が足りないのでしょうか。

桜庭:2つあると思います。1つ目は、事業環境の変化に対して、経営戦略が実はアップデートされていないケースです。人事よりも高次元のところで、会社のベクトルが定まっていない上で人事戦略を同じ方向に向けることは非常に困難です。
2つ目は、経営戦略・事業戦略は明確にベクトルが示されているとして、人事の戦略をそこに合わせていく、視点のつなぎ込みがリーダー同士でされていないというケースもあります。
この2つを払拭していくためにHRBPが果たすべき最初の役割は、5つの問いを事業部長に投げかけることだと思います。同時に、それを聞くことによってHRも同じ視点を持つことができます。HRBPが5つの問いに対して答えを持っている必要はなく、「対話をする」ということが大切です。

 

HRBPの必要性とその背景

楠本:HRBPという機能が今後ますます必要になってきている、その背景や理由を教えていただけますでしょうか。

桜庭:私が個人的に感じるのは、組織の在り方として、そもそも「〇〇部」というセクショナリズムで成し遂げられることに限界があり、セクショナリズムでは解決できないところに来ているのではないかということです。これは、良い・悪いという話ではありません。それぞれに部門を作り、その部門の中でしっかりとタスク管理を行い、予定調和でちゃんと進み、売り上げが立てられるという期間が非常に長かったと思います。ただし、リーマンショック以降、例えば金融危機や天変地異、今回のコロナのこともそうですし、私たちが想像できないような、予定調和で進められないような事態に飲み込まれることが多くなってきたと感じています。

楠本:実際に今、こんな状況ですからね。

桜庭:そうすると、セクショナリズムの中で成り立っていたものを壊し、共通の課題やミッションに対して、みんなが集まり頭を突き合わせて解決していくという、線では引けないような働き方をせざるを得ない。そういった意味からすると、先ほどお話しした「つなぎ込み」というのがとても重要になります。まだまだ、〇〇部の〇〇部長の〇〇さんというセクションがある中で、「あの人とこの人とその人を引っ張ってきて共通の課題を解決する」といったつなぎ込みをするのがHRBPの仕事です。

楠本:HRBPには、人事と事業部の縦のつなぎ込みというのもあると思うのですが、実は、この横のつながりのハブになるというのもすごく重要な機能だというお話ですね。それはやはり、人事を理解している人だからこそハブになれるということなのでしょうか。

桜庭:そうですね。おっしゃる通り、ヒトのコトということですから、まず「どういう人がどういう物事をしているか」ということの把握が重要になります。

楠本:「常に人が起点だ」ということですね。

桜庭:それから、なぜやっているかということですね。人事はヒューマンリソースなので、そのヒューマンを理解するプロフェッショナルであるということを、まずは定義として念頭に置くとわかりやすいと思います。ヒューマンを理解しているプロフェッショナルなので、ヒューマンがどういう理由・動機付けで何をやっているのかということを把握するプロフェッショナルだということです。

楠本:「どういう人がどういうことをやっているかを把握する」。素晴らしいですね。実は、戦略のつなぎ込みや意識のつなぎ込みをする時には、人が起点になっているから、人を理解する力だというお話ですよね。目から鱗でした。

 

対話の重要性とHRBPとしてのペルソナ作り

楠本:先ほどお打ち合わせでもありましたが、対話をすごく重要視されていますよね。やはり、HRBPのお仕事の出発点は対話でしょうか。

桜庭:その通りです。当社のHRBPは、「対等な相棒」というポジショニングですので、人事から対話を投げかけられたときのハードルは低いカルチャーです。こういったカルチャーがないと、人事に声をかけられたら「肩叩きか」という風に少し構えてしまいますよね。私のおすすめは、ランチをしながら、その人の「人となり」を聞いてみることです。まずは人間関係から作っていく。意外と人事のお仕事をしている方は、「人事という羽織り」を着てしまっている部分があります。自分がヒューマンであることを見せないと、相手の衣を脱がせることは非常に難しいです。HRBPには、自分を人としてさらけ出すというスキルも必要です。しかし、さらけ出せばいいという問題ではありません。ちゃんと軸がない状態で衣を脱いでも、逆に戸惑ってしまいます。行ったり来たりしながら、ご自身のHRBPとしてのペルソナを作り、その揺らぎを楽しむのがHRBPの醍醐味です。

楠本:なるほど、面白いですね。「HRBPとしてのペルソナを作る」について少し詳しく伺ってもいいですか。

桜庭:HRBPというのはひとつのラベルなので、このラベルをある程度理解されるといいと思います。ポイントは「ご自身がどういう人でありたいのか」ということを深く考えて、自分のあるべき姿をそのままさらけ出すということです。例えば、「事業戦略をどう考えていますか」とリーダーに問う前に、自分がそこにどれだけ関心があるのか、関心がないのか、よく理解する必要があります。対話を通して関係性が深まっていきますので、信頼度数が高まれば、それだけお互いに衣を脱ぐ準備ができます。衣を脱いで、事業部長の葛藤や組織の葛藤、そういった弱みを吐露するということに対する抵抗感をなくすことが最初のステップです。

楠本:では、その後にやるべきHRBPの役割やお仕事とは何でしょうか。

桜庭:対話の中でたくさんの問題が出てくるはずです。そこでHRBPが打つ次の手は、「どれが一番結果につながるのか」という質問につなげることです。課題を一旦棚卸して、その中の優先順位をつけます。そして、ひとつの仮説を持って対話を重ねていき、「今年は採用を強化しよう」や「今年はリーダーのポジションを入れ替えていこう」など、1つなり2つなりの人事戦略にフォーカスを定めて実装していくというのが次のステップになります。

 

「越境」と「ピアコーチング」

楠本:そして、最初にお話いただいた「越境」というキーワード。すごく積極的な取り組みが印象的でした。「ピアコーチング」がすごく面白そうだと思ったのですが、このピアコーチングの取り組みや今後の展望について少しお伺いしてもよろしいでしょうか。

桜庭:ピアコーチングは、もともとは「違う景色を見てみる」ということがキーワードでした。前提として1つ目に、他社さんと一緒に行い、評価には響かないということがあります。2つ目に、人事は必要以上に介入しません。一番初めに「どういうリーダーになりたいか」ということを、言葉を使わずに、レゴを使って自分の手で「なりたいリーダー」と「なりたくないリーダー」を作っていただいて、自分のピアコーチのバディに共有します。その後、コーチングに対するスキルアップをします。そして、3ヵ月間は「いってらっしゃい」です。回数は少なくとも2回。ひとりが話す時間は1回あたり15分。「ピアコーチングというものが何を目的にしているか」ということだけは最初にお伝えしますが、この3ヵ月間は、人事からの介入は一切ありません。3ヵ月経つと、バーチャルで会います。ここで蓋を開けてみるといろいろなバラツキが生まれます。このバラツキがまた学びの場になります。

楠本:面白いでしょうね。それぞれ「何を感じたか」ということの共有を行う、と。

桜庭:もしくは「感じなかった」という共有もあります。難しかったが工夫してみたチームもあれば、難しかったからそこで止まってしまうチームもあります。どれが良い・悪いという予定調和の中で、人事が正解を教えるということはありません。これを前半に行います。
そして中間でもう一度、今回のピアコーチングサークルの共通のミッションである「お互いを良いリーダーにするために課題解決を助ける」ということがどれくらいできているかと問いかけます。そうすると、後半の動きがだいぶ変わってきます。
ピアコーチングの裏の狙いは、プラットフォームを共有して産官学で連携しながら共に作っていくという事業戦略に紐づいています。いつもとは違うところから見てみることで、「あそこと一緒に何かできるよね」とか「あのお客さんに声をかけてみよう」とか「あそこの学校とやれるのではないか」とか、そういった連携を実現するための「越境」と位置付けています。

楠本:まさに経営戦略に即した取り組みですね。

 

HRBPに求められるスキル

楠本:守備範囲が広いHRBPですが、求められるスキルとは何だと思いますか。

桜庭:大きく分けると3つあると思います。1つは「興味」が大事です。何にでも興味を持つことですね。例えば、「どうやってこの事業部はお金を稼いでいるのだろうか」とか「なぜあの人があのリーダーのポジションにいるのだろうか」とか「あの人たちとあの人たちの仲が悪そうなのはなぜだろうか」とか。何でもいいのですがジャッジメントではなく、評価をする前に興味を持つということです。

楠本:「評価の前の興味を持つ」。重要ですね。興味を持つからこそ問いが立てられる。問いを立てるから本音が出てくる。こういうことですね。

桜庭:そうです。組織の中では、評価はついて回ります。「評価をするために組織の中に人事が存在する」と置き換えられてしまっているケースがあります。評価は大事ですがその前に、興味を持って知るということをやらないと無意識なバイアスが邪魔をして、私たちが本当に知るべきことがブラインドスポットに入ってしまいます。だから、まずは興味を持つことですね。
それから2つ目は、バランスよく判断する基準として、自分の中でデータポイントを持つ必要があります。

楠本:「データポイント」。重要なキーワードが出てきました。

桜庭:このデータポイントはいくつかありますが、まずはその部門の社員満足度を見たときに、データがそれを示しているのかどうかを検証するということです。他には、その人たちの話だけではなく周りの話を聞いてみるということです。
そして3つ目は、仮説を立てて、それについて対話をするということです。

楠本:「仮説を立てて対話をする」。なるほど。仮説がない問いでは何も引き出せませんか。

桜庭:例えば、「HRBPとしてこういうデータポイントがありました。話も聞きました。データはこれを示しています」ということを示すだけでは不十分です。それでは、ただのシェアリング、事実の共有です。ビジネス「パートナー」なので、耳に痛いことも仮説を通じて提案をすることが期待されます。提案をすると返り討ちにあうこともありますが、それでいいのです。興味を持って、いろいろ知った上で仮説を持って検証してみたけれども違けうのであれば、「ちょっと違う角度だったのかな」と思えます。そこからまた違う提案につなげることができますし、対話もできます。間違うことを恐れないことですね。

楠本:ところで、「越境」することと「複業・副業」を促すことの違いは何でしょうか。

桜庭:「越境」というのは、副業でももちろん構いません。今回は、ピアコーチングサークルやWATARIDORIといった「こと」をやりましたが、この「こと」は何でも構いません。ローテーションや期間を区切ってのジョブシャドーなど、「自分が今やっているレンズ以外のところから見てみる」ということができれば、どんな施策でも問題ありません。共通の成し遂げるべきミッションが明確であれば、Howは何でもいいと思います。

楠本:方法論ではなく、そもそもの目的から考えると、そこにはもっと自由度があってもいいのではないかということですね。

 

最後に

楠本:最後に、HRBPに興味があるがいきなり御社のようにはできないという方に、どこから進めていけばいいのかというヒントをぜひご教授いただければと思います。

桜庭:私どもも、時代の変遷とともに進化していますので、要所要所で皆さんと同じように施策を打っています。まずは、人事部の集まりに事業部の方をゲストスピーカーとして呼び、事業の面白みやどういう想いで仕事に就いているのかを語ってもらうのはいかがでしょうか。同時に、その事業部の方には、「なぜあなたたちは人事に携わっているのか」と人事部チームメンバーに問いかけてもらいましょう。「私はこういう想いでこのポジションで働いている。ではあなたたち人事は、何が面白くて働いていますか。想いを聞かせてください」という質問を逆に投げかけられることにより、人事のチームメンバーもよく考えることになります。事業部のリーダーも呼ばれて気を悪くする人はいないので、実行するにしてもすごくハードルは低いと思います。

楠本:なるほど。対話の第一歩、お互いを理解する第一歩という感じでしょうか。それは面白いですね。最後に一言、皆さんにエールを送っていただけますでしょうか。

桜庭:「HRBP」というタイトルがついていてもついていなくても関係ありません。重要なのは、「ヒューマン」「人」の専門家として、皆さんがどのようにビジネスに関わり続けるかということです。そして、どれだけ生き生きとミッションを持って働くかということがキーワードになります。ぜひ、面白い旅路を、私と一緒に人事を司る仲間として作っていくことを期待しています。どこかでお会いできることがあれば一緒に作って参りましょう。

楠本:今日は勉強になりました。本当にありがとうございました。

 

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