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〈HR RUNNERS vol.11〉社員と一緒に探求し続ける“評価制度”ーサイボウズの工夫②ー

ーー社員が満足できる働き方を実現するために必要な“評価制度”とは。

「HR RUNNERS」は、HRの前線を走る第一人者からお話を伺う対談イベントです。第11回のテーマは「社員と一緒に探求し続ける“評価制度”」。多くの人が“働きやすさ”を重視する時代。社員一人ひとりに合わせた柔軟な働き方ができてこそ、社員の満足度は上がる。では、社員が満足できる働き方を実現するためには、どのような“評価制度”が必要なのでしょうか。昨年9月に開催した第3回「社員の求心力向上」に引き続き、サイボウズ株式会社の人事本部部長である青野氏をお招きし、評価制度の工夫を伺いました。
※本対談記事は、4月12日に開催したオンライントークライブより編集したものです。

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Profile
青野 誠 氏
サイボウズ株式会社 人事本部部長
2006年早稲田大学理工学部情報学科卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。営業やマーケティング、新規事業の立ち上げなどに携わった後に人事へ。現在は人事本部のマネジメントや採用・育成・制度企画などを推進。NPO法人やベンチャー企業の人事部門でも複業を経験するなど、自ら多様な働き方を実践している。著書(共著)「わがままがチームを強くする」(朝日新聞出版)。

〈聞き手〉
楠本 和矢
HR Design Lab.代表
博報堂コンサルティング 執行役員
神戸大学経営学部卒。丸紅株式会社で、新規事業開発業務を担当。外資系ブランドコンサルティング会社を経て現職。これまでコンサルティングプロジェクトの統括として、クライアント企業に深くコミットするアプローチのもと、多岐にわたるプロジェクトを担当。現在は、HR Design Lab.代表として、「マーケティングとHR領域の融合」をテーマに、現場での実践に基づいた様々なHRソリューションを開発提供。特に、組織の創発力強化・生産性向上を目的とした取組みに注力。

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人事制度の仕組みはどのように生まれるのか

楠本:本日のゲストは、昨年9月に開催した第3回「社員の求心力向上」に引き続き、サイボウズ株式会社 人事本部部長の青野さんです。よろしくお願いいたします。

青野さん(以下、敬称略):サイボウズの青野です。よろしくお願いします。本日は『社員と一緒に探究し続ける“評価制度”』ということでお話をさせていただきます。評価制度は非常に難しく、サイボウズでも大成功しているというわけではありません。しかし、リクエストをいただきましたので、試行錯誤の過程を赤裸々にお話しできればと思っています。

楠本:まずは、自己紹介と会社についてのご説明をお願いします。

青野:簡単に私の経歴をお話しすると、2006年にサイボウズに新卒入社し、2013年から人事を担当しています。また、当社の概要をご説明すると、会社名はサイボウズ株式会社で、グループウェア(ソフトウェア)を販売している会社です。海外にも拠点が広がり、社員は1,000名(国内約800名、海外約200名)を超えたところです。東京オフィスの出社率は、以前は7割ほどでしたが、コロナ禍で1割前後まで下がりました。開発・提供しているツールは、純粋なグループウェアの「サイボウズOffice」や「Garoon」、業務アプリを構築するクラウドサービスの「kintone」などです。私たちはチーム向けにサービスを提供しており、Purpose(存在意義)は「チームワークあふれる社会を創る」です。そして、大事にしているCulture(文化)のひとつに「自立と議論」があります。「自立」は、自分で選び自分で責任を取る、「議論」は、疑問があればしっかりと質問や説明をする、という意味です。働き方の多様化や柔軟化に取り組んだきっかけは離職率です。離職率が高い時期があり、2005年には離職率が28%になりました。それからいろいろな改革を行ってきて、現在の離職率は2.7%まで下がってきています。

楠本:評価のお話の前に、人事制度の方針についてのご説明をお願いします。

青野:私たちは方針として「100人100通りの人事制度」を掲げています。縛りを作るための制度ではなく、一人ひとりの個性に合わせた100人100通りで、平等であるよりも個性を重んじる、という考え方です。現在は、社員一人ひとりが「新・働き方宣言制度」といって、「何曜日はどこにいて、何時から何時まで働く」のように希望する働き方を宣言し、その通りに働いています。月に何時間働いて、その時間の中での働き方をどう評価するのか、というのは非常に難しいのですが、さまざまな仕組みを作りました。最近は、コミュニケーションを促進する仕組みを重要視しています。在宅勤務が増えたので、部署以外の人とも会う仕組みや自分のキャリアを考える仕組み、働き方宣言の仕組みなど、いろいろと作ってきました。

楠本:そうなんですね。そういった仕組みをどのように作っているのか興味があります。

青野:人事が次々とアイデアを出すアイデアマンだと思われるかもしれませんが、そうではありません。「質問責任・説明責任」という考え方を大事にし、少しずつそれが浸透してきたため、社員の方から多くの質問が出てきます。そして、質問が出たときに、他の人も同じように考えるのか、どう思うのか、人を集めてワークショップを行います。その質問や要望をいいと考える人が多ければ人事が制度として起案し、承認され、導入していくことがよくあります。

楠本:なるほど。社員から意見や質問が活発に出るようになったきっかけやタイミングはありますか。

青野:徐々に活発になってきたのですが、離職率が高かった時期に、マネジャー合宿などで議論がうまくいかなかったため、議論のトレーニングをすることになりました。「問題解決メソッド」というフレームワークを作り、これに沿って議論をする研修や訓練をしていき、地道に少しずつ浸透していきました。また、日々の会話の中で「これは言っていいんだ」「ここは安全なんだ」という認識が生まれているのではないかと思います。

楠本:「心理的安全性」は重要ですよね。「問題解決メソッド」以外に意見を出してもらうための支援施策はありますか。

青野:人事への窓口を「kintone」アプリの中で作っていて、オープンな窓口である「わくわく相談窓口」と非公開の「秘密の相談窓口」のふたつがあります。オープンな窓口は相談の内容も人事の回答も誰でも見ることができます。例えば、「この資格を取りたいのですが、この制度は使えますか」とか「コロナ禍で在宅勤務が増えているので補助はありますか」という要望などです。相談ひとつひとつにしっかりと回答することが大事です。

楠本:回答がなかったら「もう、いいや」となってしまいますよね。

 

カジュアルな雰囲気で議論する「仕事Bar」

青野:人事への相談の実例として、営業の社員が「アポイントとアポイントの間に仕事をするためにカフェに行くことがありコーヒー代を支払ってますが、仕事場所確保のためなので経費として会社負担にしてほしい」と相談がありました。「コーヒー代は自分で支払うのが普通」という考え方もありますが、「なるほど、場所代か」と、ここから始まります。この事例の場合、「コーヒー代を負担するのではなく、外出時に効率よく仕事をするため」という目的が重要です。サイボウズには、「仕事Bar」という、カジュアルな雰囲気で議論するための制度があります。飲食補助を出し、議論に加わりたい人が部署に関わらず集まって議論をし、最終的に人事がまとめて起案をします。

楠本:「仕事Bar」の議題は人事の皆さんが振り出すのか、みんなが考えるのか、どちらですか。

青野:人事系のものは人事が出すことが多いです。最近だと、「これからオフィスをどうしていくか」という議題が挙がりました。ただ、「仕事Bar」の仕組みは誰でも使えるので、例えば、「今度、このサービスを開発して新しい機能をつけたいのですがどう思いますか」といった「仕事Bar」でも問題ありません。ファシリテーターがいて、参加者は大体20〜30人集まって数回行います。

楠本:なるほど。「仕事Bar」の参加者が偏ることはありますか。

青野:やはり、興味のあるもの・ないものがテーマによってあります。そのため、テーマごとに、参加者の属性として「こういう人が来るだろうな」というのはあります。そういう意味では、テーマごとに違います。ただ、年次などは関係なく、新人もベテランも、いろいろな部署から来ます。「仕事Bar」はあくまでも発散の場なので、出席者がさまざまな意見や助言を出します。出てきた意見の取捨選択・決定は多数決などではなく、その後、事前に決めておいた承認者が行います。決定のプロセスは非常に透明になっています。

 

「平等ではないけど公平ではある」人事制度

楠本:次に、人事制度を作る上で大事にしていることをお聞きしたいと思います。

青野:先ほどもお話しした「質問責任・説明責任」です。「説明責任」はよく言われる言葉だと思うのですが、私たちは「質問責任」もある、というのが少しユニークです。疑問があれば質問していいですよ、むしろ責任がありますよ、と言っています。また、平等にしようとはあまり考えていません。制度を作るときに「この人には使えるけどあの人には使えない」ということはよくあり、平等な制度を作ろうとすると制度が作れなくなってしまいます。そして、そもそも平等にするとみんなが幸せかと言うと、そうでもないと思います。

楠本:たしかにそうですね。しかし、あまりにも受益者が偏ってしまうと不平等になるため、その線引きはなかなか難しいのではないでしょうか。


青野:気をつけているのは、「平等ではないけど公平ではある」ということです。つまり、誰でも使う権利がある制度だということです。除外はしていません。働き方でよくあるのは、「時短勤務が使えるのは子育てをしている人だけ」というような条件がある企業さんです。私たちはそうではなく、誰でも使えるというのが、うまくいったひとつのポイント、サイボウズらしいところだと思っています。

 

試行錯誤の評価制度の歴史

楠本:では、本日の本題である評価制度に話を進めていきましょう。

青野:まずは、試行錯誤の評価制度の歴史からお話しします。創業当時の1997年は、経営者が社員を「個別評価」していました。そこから少しずつ人数が増え、「目標管理・成果主義」になりました。一人ずつ目標を設定して、その振り返りをしていたのですが、目標を立てるときに甘い・辛いがあり、客観性が問題でした。そこで、次に「360度評価」を取り入れました。しかし、いろいろなところからの評価を気にすることで、誰を向いて仕事をすればいいのか、わからなくなってしまったんです。また、一番から順番をつけ、「上位何パーセントは昇給」というような相対評価だったため、チームの一体感の希薄化が起きました。

楠本:相対評価によって、評価が先に来てしまうようになったわけですね。

青野:そして、相対評価をやめて、一人ひとりを見て絶対評価するために、能力やその人ができることを言語化して「階層」を作りました。全社一律で階層が十何段階かあり、「これができたら次のグレードにいきます」というものでしたが、いろいろと弊害が出てきました。そして、「市場価値評価」に移行して現在に至ります。

楠本:なるほど。2005年以降、「目標管理」という言葉が出てきませんね。

青野:今、どうしているかと言うと、評価の目的を2つにわけて考えています。ひとつは「成長を支援するため」の評価。もうひとつは「給与を決定するため」の評価です。目標は成長を支援する側面が大きいため、1on1をしたり、Action5(行動指針)に沿ってフィードバックをもらったり、ということは行っていますが、この部分と給与をあまり連動させないようにしています。もちろん、社内での貢献度が高かった場合は評価されやすいといった相関は多少はあります。

楠本:つながってはいるけれど完全には連動しないということですね。

青野:そして、2016年から「市場価値評価」を始めました。まずは、本人に希望を聞きます。そして、社内の貢献度と社外の相場(転職市場での金額)を加味して金額を決めます。なぜそうしたかと言うと、階層があるとそれらしくは見えるのですが、「そもそもその階層が正しいのか」という疑問がありました。また、正確な給与というのは存在しないと思うので、しっかりと階層を作るのは至難の業でした。そこで、社内基準だけで給与を決めないようにしました。エンジニアによくあるのですが、ある職種の給与がどんどん上がっていて、社内で評価していても、社外ではもっと高い評価をつけている、ということがあります。

楠本:これはすごいですね。社員の皆さんがそういった相場感を持つための取り組みや、人事がサポートしていることはありますか。

青野:世の中にあるさまざまな統計データや「このサイトに自分の経歴を入れるとざっくりとした金額が出ます」ということはお知らせしています。ただ、例えば「IT企業の平均給与」といっても、そこにはベンチャーさんから大企業さんまでさまざまな企業が入っています。そのため、サイボウズに合致するデータが手に入るか、というと本当に難しいです。

楠本:いろいろなところに情報ソースを求め、割りと客観的な数字を導き出すことで、一番「たしからしい数字」になっていくということですね。

青野:はい。しかし、「正しい金額」はないと思いますので、本人の「納得感」が非常に大事です。そのため、「こんな働き方でこの金額がほしい」といった本人の希望を出してもらい、チーム側の「この金額でオファーしたい」という希望となるべく合致した給与額を私たちは意識しています。できるだけ個人の幸福度とチームの生産性を合致させることを目指す、という理想を持ってやっています。

 

評価の具体的なプロセス

楠本:サイボウズさんでの評価の具体的なプロセスはどうなっていますか。

青野:まず、本人が給与の希望額を言うところから始めます。その後、本人とマネジャー(部長や本部長など)が面談します。実際には、そんなに給与にこだわりがない人もたくさんいて、「上がればうれしいです」という程度の人も多くいます。そのため、毎年ギスギスやっているわけではありません。

楠本:本人の希望を聞いたあとのプロセスはどうなっていますか。

青野:各本部で、その希望をもとに各マネジャーが金額を決めます。そのあと、全体の評定会議を行います。類似の業務を行なっている本部間で、それぞれの本部のマネジャーが集まって、お互いのデータを見て、助言し合います。

楠本:これにより、同じような働きとパフォーマンスの人たちの給与が、本部をまたいでバランスが取れるということですね。とても時間がかかりそうです。

青野:はい。時間はかかります。全部「kintone」を使い、評定会議があるときは、事前に部長や本部長に連絡をして、他の部署のものを見てもらいます。会議中に話したい人には、アプリ上でチェックをつけて、会議では主にチェックがついている人について話し合います。また、「本人へのフィードバック」が重要だと考えています。どうしてこの金額になったのか、ということに説明責任を持ち、必ずフィードバックを行なっています。本人が希望するものには、給与だけでなく、さまざまな条件があります。給与よりも働き方や住む場所を優先したい、あるいは新しい職種にチャレンジしたいなど、すべての働く上での条件を聞いた上で金額を決定します。

楠本:ありとあらゆるパラメータを考慮するわけですね。これを運用するには、本人が主張することが重要だと感じました。

青野:本人には希望を言ってほしいですし、それが、本人にとって何が大事なのかという振り返りや成長につながるいい機会になると思います。本人が希望を出すための「給与希望アプリ」というものがあり、フリーフォームで入力してもらいます。必須項目はありません。金額を入れる人もいれば、自分の想いを入れる人もいますし、「他社からこんな金額がつきました」という人もいて、本当に自由です。また、「主張しない」という選択肢もあるので、提出は必須ではありません。マネジャーに任せる人もいます。

楠本:例えば、本人は1,000万円を希望していているのに、500万円になってしまうこともありますよね。その場合、離職につながってしまいそうですが、メンタルの部分へのアプローチはどうされていますか。

青野:希望額とギャップが生まれることはあります。そこで大事なのは説明です。なぜ500万円なのか、1,000万円の見込みがあるのであれば、何をすればその職種で1,000万円をもらえるのか、という説明です。逆に、サイボウズで希望の金額を出せない場合は、正直にそれを伝えます。その上で、本人に選択してもらいます。ただ、世の中にはさまざまな会社があるため、実際にはそんなに簡単な話ではありません。給与だけでなく、業務・労働時間・在宅・副業などの働き方も異なり、他の会社に行くことで得られるものと失うものがあります。

楠本:サイボウズで働くことは、給与以外にも、多様な働き方やサポートなどの大きなベネフィットがありますよね。給与の予算は青天井ではないと思うのですが、どのように調整されていますか。

青野:青天井ではないですが、先に原資を決めることもしていません。予算はないので、各本部で給与を決めて、すべて集めて、「あ、人件費はこれくらいになったな」となります。人件費の比率も一応データとして認識はしていますが、そこで調整は入れません。

楠本:「給与アプリ」は大変興味深い制度ですが、退職を誘発するリスクもあるのではないでしょうか。

青野:やはり、外の市場を見るようになるので、そういうこともあります。ただ、市場価値を導入したあとも、給与が理由での退職者が増えたとは感じていません。むしろ、自分の市場価値を考える人が増え、いい波及効果が生まれていると感じています。例えば、サイボウズの中の仕事だけで考えずに、「この仕事には、世の中ではどういう価値があるのか」とか「自分のレベルは世の中でどれくらいの位置にあるのか」ということを客観的に見るようになります。これは、社内だけの基準で見ていると、考えることはあまりないと思います。

楠本:常に外に視野を広げておくことが、「研鑽を続けよう」と思うために重要なのかもしれません。

青野:評価制度のプロセスに話を戻しますが、本人からの希望を聞いたあとに、チームからオファーを出します。その際に、働き方や職種などの条件、市場相場を考慮し、まず例えば、「この人は転職したら600万円〜750万円くらいつきそうだな」と幅で考えます。そして、社内での貢献度を加味し、最終的に具体的な金額を決めます。マネジャーが金額を決めるための資料として、「kintone」で作った「給与評価アプリ」があります。その中に一人ずつのレコードがあり、本人の報酬に関する考え方や過去の履歴などが確認できます。

 

今後の課題は権限移譲と人事の拡充

楠本:本人は「給与評価アプリ」を見られないのでしょうか。

青野:本人は見ることができません。本人用には、給与額しか載っていない「通知アプリ」があります。マネジャーがどういう考えで給与額を決定したかは、個別にフィードバックします。また、そのあとに、昇給率などのいくつかの社内データをまとめて全社で公開しています。例えば、500万円〜600万円のレンジの人の何パーセントが昇給した、という情報です。

楠本:絶対金額だけではなく、どれだけ評価されたかも知りたいですし、こういったデータがあるのとないのとでは、全然、納得感が違いますよね。

青野:そうですね。また、サイボウズは働き方がすごく柔軟で、いつでも変更できます。働き方を変えると給与も一緒に変わるのがポイントです。例えば、週5勤務だった人が週3勤務になれば、おそらく貢献度は少し下がります。そこで、本人とコミュニケーションを取り、5分の3にするのか、その他の影響も加味した上で、それ以外の金額にするのかを決めます。去年の終わりに、自分で自分の給与を社内で公開する人も出てきました。非公式で、開発のエンジニアの方が「自分の給与を登録するアプリを作りました」と公開しました。そして、彼に続いて、そのアプリで給与を公開する人が何十人も出てきました。人事のメンバーも何人か公開しています。それを見た方がまとまったデータよりも具体的なのかもしれません。

楠本:サイボウズの中での反応はどうでしたか。

青野:社内で大きな話題になりました。良い面としては、個別の事例を見ることで、「この人くらいのスキルだとこれくらいの金額になるのか」ということが、より具体的にイメージできることだと思います。ただ、いくつか懸念もあると思います。例えば、給与額は分かっても、なぜその金額になったのかまでは分かりません。金額だけで自分と比べてしまうと、余計にもやもやする人もいるんじゃないでしょうか。また、給与をオファーするマネジャーもプレッシャーが大きくなると感じました。「公開されるから」ということではありませんが、よりしっかりと説明できる給与を検討しないといけない、というプレッシャーは感じています。

楠本:現在は社員数が約1,000名ということですが、もっと増えてきたときの対応はどのように考えられていますか。

青野:マネジャーへの権限移譲とサポートする人事の拡充です。もともと社長が給与の承認権限を持っていたのですが、現在までに、給与を決められる権限を少しずつ移譲してきました。経験者が増えてくれば、さらに移譲できるはずです。ただ、サポートする人事が、評価時期になるとその会議で忙殺されているため、そこがボトルネックになる可能性があると感じています。

楠本:まだまだお聞きしたいことはたくさんあるのですが、あっという間にお時間が来てしまいました。一人ひとりが自立した評価制度の運用の仕方や作り方など、たくさんのヒントをいただき、私も勉強になりました。本日は本当にありがとうございました。

 

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