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組織の生産性向上① ファシリテーションスキルを高めるとはどういうことか(5つの要素)

これから大きな動きとなっていく「人づくり革命」。企業の生産性向上を狙いとして、様々な取り組みが始まろうとしています。そのようなことを背景に、今後特に必要となるスキルが、コミュニケーションスキルです。

ビジネスを進めていく中で、コミュニケーションスキルはだれもが持っていて欲しいものです。特にリーダーやマネージャーになると、コミュニケーションを通じて強いリーダーシップをとれることが組織力アップにつながっていきます。そして、コミュニケーションスキルの中でも肝となるのが、ファシリテーションスキル。ファシリテーションスキルは、会議を円滑に進め、実のある会議として終わらせるために必要なものです。では、なぜこのスキルが特に重要視されているのでしょうか。

ファシリテーションスキルで変わる会議の良し悪し

普段の会議に不満はありませんか?社内会議が多すぎて時間ばかりがかかってしまう割には何も決まらなかったり、仕切っている人の意見のみで押し切られて論議がない形ばかりの会議だったりと、会議に出る暇があれば仕事に戻りたいと思ってしまう人もいるでしょう。

生産性が高く、議論も活発に行われ、誰もが納得できる結果となる会議を目指してはいるものの、なかなかにそのようにはいきません。しかし、ファシリテーションスキルが高い人が会議の進行を務めると、実のある会議になっていきます。

ファシリテーションとは、公平な立場で会議を進行させるだけでなく、参加者や関係者が会議内で自分たちの意見や知恵を出し合い、納得できる合意を得ることでモチベーションを上げていく行為であり、強いリーダーシップを伴うコミュニケーションスキルが求められます。

参加しているメンバー一人ひとりの経験や知識から、より良いアイデアや意見を拾い、新しいプランを生み出すと同時に、メンバーのモチベーションを高めていくことができれば、合意したプランをその後加速的に進めることができます。会議はすでに決められたことを伝達するだけの場ではなく、メンバーのモチベーションを上げてプランへの意識を高め、生産性を上げるためのスタートの場なのです。

リーダーが持つべきファシリテーションスキル

このようにファシリテーションスキルとは、特にリーダーやリーダー候補となる人たちにとって、会議においてリーダーシップを発揮するうえで重要なものですが、それを高めるには高い思考能力とその場を理解する力、そして会議を円滑に進めていくための表現力が必要です。会議は、時にマイナスの方向に進んでしまうこともありますが、そのような状況でも引っ張られることなく、なぜこのような意見になるのかを考えてポジティブ思考に変えていき、周りを納得させなければなりません。

また、ファシリテーションスキルは、会議のなかでのみ発揮するスキルではなく、その後のプロジェクトでも活かすことができます。複雑化してくるプロジェクトにおいては、いくつかのグループ間での円滑なコミュニケーションがプロジェクトの進行を助けてくれます。異なる立場のグループではお互いの利害も異なるため、なかなか議論がかみ合わないことも多いものです。それをうまく進行させていくのも、ファシリテーションスキルの一つです。まさに、企業の生産性向上に直結するスキルと言えます。

ファシリテーションスキルを構成する「5つの要素」

それでは、ファシリテーションスキルとは、具体的に何ができることを指すのでしょうか。私たちはそれを5つの要素に分解しています。

①議論の全体構造をデザインできる
ファシリテーションスキルの一つ目は、目的達成のために会議のゴールに向けたプロセスの設計ができるということ。どの様に会議の段取りを構成するか。これで成否はほぼ決まります。

②議論にアンテナを張り、問いが立てられる
二つ目は、議論の状況を把握し、議論を促進する問いが繰り出せるということ。ファシリテーションは「問い」が全て。そのために、常にある意識を持って臨まなければいけません。

③意見を整理し、的確な意思決定ができる
三つ目は、導出された意見をきちんと整理し、的確且つ納得感のある意思決定ができるということ。意見やアイデアは出しっ放しではいけません。きちんとレベル感を揃え、理解しやすい形で整理をする必要があります。

④適切にグラフィックを使いこなせる
四つ目は、議論内容を可視化することで、効果的に議論を促進することができるということ。ホワイトボードを上手く使うと、議論は効率よく進みます。絵のように美しく書く必要はありません。流れと重要なポイントがわかれば充分でしょう。

⑤議論のスタックから抜け出せる
最後は、議論の停滞、対立の状況を整理し、合意形成に進むことが出来るということ。意見の対立は必ず生じます。そのときに、何が前提としてずれているのか。ここを把握する必要があるのです。

こういったいくつものスキルを習得し総合的に利用するためには、カリキュラム化された知識やトレーニングが必要となります。ファシリテーションスキル研修を利用して確かなスキルアップを狙うことをおすすめします。

意見を引き出す「問い」の重要性

以上、ファシリテーションスキルとして「5つの要素」をご紹介しましたが、その中でも特に重要なことは、的確な問いを立てることです。「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである」とは、ピーター・ドラッカーの名言です。単に同調を促すだけでなく、メンバーの思考を促せる問いが「正しい問い」です。

特にリーダーになると、自分一人でやる仕事はなくなります。誰かと協働して進めること、誰かに指示を与えて進める場面が非常に増えてきます。そう考えると、自分がどれだけいいアイデアを考えられるかは勿論重要ですが、それよりも、周りからアイデアを「引き出す」力の方が、よほど重要になることは言うまでもありません。

「問い」を常に立てようとする意識こそ最も重要。しかし、難しいこともまた事実。コツがあるとすれば、議論の中で、問いが自分の口から自然に出てくる「意識の持ち方」を覚えることです。持つべき意識は4つあります。

  1. ズレてないか?
  2. 理解できるか?
  3. どう拡げるか?
  4. どこを深掘るか?

これらをしっかりと意識することによって、必要な「問い」が出てきます。詳しくは、私たちが提供しているファシリテーションスキル研修の中で解説していますので、ご興味ありましたらぜひお気軽にお問い合わせください。

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柏木 望
東京女子大学現代文化学部卒。
IT企業にて広告戦略・業務改善施策について営業として提案・進行管理業務を担当。現職では人材教育事業の開発運営、及び企業の事業戦略会議にてファシリテートを担当。

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